Hotjarを運用していると、ヒートマップなどのデータが少しずつ集まってきます。この記事では、Freeプランで計測したデータを前提に「まず何を見ればいいか」をヒートマップを軸に整理します。Hotjarの導入手順や、Freeプランで使える基本機能については、前回の記事でまとめています。【Hotjar導入ガイド】初心者でも始められる行動可視化ツールの解説https://udata.co.jp/posts/Q9LyDA1N■「目的」を意識しながらヒートマップを見るヒートマップは、クリックされている箇所や、クリックされている箇所やスクロールの到達位置などが色で可視化されるため、ページ内でユーザーがどんな行動をしているかを直感的に確認できます。データが集まった段階では、まず「このページで何を確認したいか」を決めてから見ると整理しやすくなります。たとえば、見る目的は次のように分けられます。クリック:リンクや導線が使われているかスクロール:伝えたい情報が表示されていそうかマウスの動き/注目:迷いや立ち止まりが起きていそうか目的を決めてから見るだけでも、ヒートマップはかなり読み取りやすくなります。次のセクションでは、データが集まったあとのヒートマップの見方を順番に整理します。■データが集まったあと、ヒートマップで確認する流れHotjarは、数日〜数週間ほど運用するとデータが集まってきます。ただ、ヒートマップを開いても「どこから見ればいいのか」が分からなくなることも多いです。ここからは、迷いにくい見方の一例として、データが集まったあとに確認する流れを整理していきます。STEP1:ページと期間を決めるまずは、ヒートマップを見るページと期間を決めます。対象ページ:「主要ページ」から1〜2つ最初は、アクセスが集まりやすく、改善の影響が出やすいページから見るのがおすすめです。トップページサービス紹介ページ料金ページお問い合わせページ資料請求ページ ※すでに改善したいページが決まっているなら、そこから始めてもOKです。期間:Freeプランは「過去7日」「過去30日」を軸に見るFreeプランでは期間を細かく指定することはできませんが、「昨日」「過去7日」「過去30日」「今月」といった形で、使いやすい期間があらかじめ用意されています。まずは、傾向をつかみやすい 「過去7日」または「過去30日」 で確認するのがおすすめです。アクセスが少ないサイトの場合は、「過去30日」で見たほうが判断しやすくなります。※Freeプランでは、30日より前のデータは確認できなくなります。STEP2:クリックで「意図した導線が使われているか」を確認する次にクリックのヒートマップで、ユーザーがページ内のどこをクリックしているかを確認します。ここで見たいのはクリック数の多さではなく、こちらが想定した動き方(導線)になっているかです。チェックしたいポイントは次の2つです。クリックされるべき要素(リンク・CTAなど)が、きちんとクリックされているかクリックされる想定がない箇所(画像・文章など)がクリックされていないかたとえば「お問い合わせ」「資料請求」などのリンク(CTA)があるのに、その周辺の画像や文章ばかりクリックされている場合、ユーザーが、どこから申し込めるのか分かりにくいリンクが見つけづらい画像や文章がリンクに見えてしまっているといった状態になっていることが考えられます。このような動きが見られたら、まずは「クリックしてほしい要素が目立っているか」「クリックできる場所が分かりやすいか」を見直すヒントになります。STEP3:スクロールで「情報が届いている範囲」を確認する次にスクロールのヒートマップで、ユーザーがページのどこまで読み進めているかを確認します。スクロールはクリックと違って、「押されたかどうか」ではなく、ページ内の情報がどこまで届いているかを把握するための表示です。ここで確認したいのは次の2点です。読ませたい情報の位置まで到達していそうか途中で到達率が大きく落ちていないかたとえば、ページ下部に重要な説明やボタンがあるにもかかわらず、到達率が低い場合は、内容以前にページが長すぎる途中で離脱しやすい構成になっている読み進めるきっかけが弱いといった要因が影響していると考えられます。このような場合は、「重要な情報をもう少し上に移す」「途中に見出しや要点を入れる」など、構成や配置を見直すヒントになります。STEP4:クリック×スクロールで「改善ポイントの当たり」を絞るクリックとスクロールを合わせて見ると、改善すべきポイントを絞り込みやすくなります。たとえば、次のような見え方があります。クリックされるべき要素は押されているが、そこまで到達している人が少ない→ 配置が下すぎる可能性があるクリックされるべき要素まで到達しているのに、押されていない→ 見た目や文言が伝わっていない可能性がある途中でスクロールが止まりやすい位置がある→ 情報量や構成に課題がある可能性があるこの段階では、原因を断定する必要はありません。まずは「どこが怪しいか」を絞り込めるだけでも、次の改善案が出しやすくなります。STEP5:マウスの動きで「迷っていそうな箇所」を補足するクリックとスクロールだけでは判断しにくいときは、マウスの動きで補足します。マウスの動きでは、カーソルが行き来している場所立ち止まっていそうな場所が見えるため、ユーザーが迷っている箇所を推測しやすくなります。たとえば、CTAの近くを行き来しているのにクリックされていない場合、ユーザーが押すか迷っている判断材料が足りない不安が残っているといった状態になっていることもあります。このような動きが見られたら、リンク周辺の説明や、安心材料(実績・料金・FAQなど)を補うヒントになります。STEP6:注目で「時間を使っている箇所」を補足する最後に、注目(滞在)のヒートマップも確認します。注目では、ユーザーがページ内のどのエリアで時間を使っているかを確認できます。クリックやスクロールでは見えにくい「読まれ方」を補足できるのが特徴です。ここで見たいのは、よく見られていそうな箇所ほとんど素通りされていそうな箇所です。たとえば、よく見られている箇所が「料金」や「実績」などの判断材料であれば、ユーザーが比較・検討している可能性があります。一方で、説明文の一部だけが不自然に注目されている場合は、内容が分かりづらくて立ち止まっているケースも考えられます。注目は単体で結論を出すというよりも、クリックやスクロールとあわせて見ることで、「読まれているのか/止まっているのか」を整理しやすくなります。■ヒートマップをサイト改善につなげる進め方STEP1〜6でヒートマップを確認すると、気になる点がいくつか見えてきます。ただ、この段階で複数の修正を同時に行うと、どの変更が影響したのか比較しづらくなることがあります。そこでおすすめなのが、改善は1つに絞って、小さく試すという進め方です。①気になる点を1つ決めるまずは、STEP1〜6で確認した内容の中から、改善につながりそうな点を1つ選びます。たとえば、問い合わせ・資料請求などのCTAがクリックされていないページの途中でスクロールが止まり、下部の情報がほとんど届いていないCTA付近を行き来しているのに、クリックには至っていない特定の説明だけ注目(滞在)が長く、読み取りづらさが疑われるといった状態です。ここでのポイントは、原因を断定することではなく、まずは『どこを改善対象にするか』を絞り込むことです。②修正内容を1つに絞る改善対象が決まったら、次は『修正内容』を1つに落とし込みます。例としては、次のような対応が考えられます。CTAがクリックされていない→ リンクだと分かる視認性にする/位置・文言を調整するページ下部まで読まれていない→ 情報を上に移す/ページ構成を短くする/読み進めたくなる区切りを作る迷っていそうな動きがある→ 次の行動に必要な情報(料金・実績・FAQなど)を補足する③7日後/30日後に、同じページで見直す修正したあとは、同じページを「過去7日」または「過去30日」で、「修正前と比べて、ユーザーの動きがどう変わったか」を確認します。ポイントは、②で行った修正内容と、見る指標を対応させることです。CTAの位置や文言を直したなら → クリックが集まっているか情報の配置やページ構成を直したなら → 下部まで到達しているか料金・実績・FAQなどを補足したなら → 迷う動きが減っているかもし「クリックが増えた」「スクロール到達率が上がった」などの変化が見られれば、その修正は改善に近づいたと考えられます。逆に変化がなければ、修正案を変えるか、ファネル分析・セッションリプレイで補足して次の打ち手を考えます。このように、ヒートマップは「見るだけ」で終わらせず、気になる点を1つに絞って修正し、同じページで見直すところまでセットにすると、改善につながりやすくなります。Freeプランでもこの流れは十分に回せるため、まずは小さく試しながら、改善の型を作っていくのがおすすめです。まとめHotjarのFreeプランでも、データが集まってくるとヒートマップだけで「ページがどう使われているか」を具体的に把握できます。大事なのは、見えたことを眺めて終わらせず、気になる点を1つに絞って修正し、同じページで見直すところまでセットで回すことです。またFreeプランでは、ヒートマップ以外にも「ファネル分析」や「セッションリプレイ」といった機能があります。次回以降の記事では、これらの見方も順番にまとめていきます。アクセス解析やデータ整理、レポート作成など、データ活用まわりでお困りのことがあればお気軽にご相談ください。状況を伺ったうえで、整理の方向性や進め方のご提案も可能です。UDATAへのお問い合わせはこちらから