分析には、政府統計ポータル「e-Stat」の統計ダッシュボードから取得した、総務省統計局「住宅・土地統計調査」の都道府県別データを使用しています。全国+47都道府県について、総住宅数・居住世帯なし住宅数(空き家など)・木造住宅数・1世帯当たりの畳数を取得し、そこから空き家等率(居住世帯なし住宅の割合)・木造率・広さを算出しました。総住宅数などは最新の2023年、1世帯当たりの畳数は2018年時点の値です。なお本記事の「空き家等率」は「居住世帯なし住宅」の割合で、いわゆる空き家に加え、建築中や一時的に人がいない住宅も一部含みます。

[都道府県別 住まい分析ダッシュボードの全体像]

空き家 ― 地方ほど多い

まず空き家です。居住世帯のいない住宅の割合(空き家等率)を都道府県別に並べました。全国では14.4%、およそ7戸に1戸に人が住んでいません。

[空き家等率の都道府県ランキング]

高い順

空き家等率

低い順

空き家等率

徳島県

22.1%

埼玉県

9.8%

和歌山県

22.0%

沖縄県

10.3%

山梨県

21.1%

神奈川県

10.4%

鹿児島県

21.0%

東京都

11.8%

高知県

20.8%

愛知県

12.4%

最も高い徳島県(22.1%)と最も低い埼玉県(9.8%)で2倍以上の差があります。空き家等率が高いのは四国・山陰・南九州など地方が中心で、低いのは首都圏や愛知・大阪といった大都市圏です。人口が集まる都市部では住宅が使われ続け、人口が減る地方では住宅が余っていく——この構図がそのまま数字に出ています。

木造か、非木造か ― 都市と地方で真逆

次に、木造住宅の割合です。全国では46.3%が木造ですが、地域差は非常に大きいものでした。

[木造住宅の割合が高い都道府県]

木造率が高いのは秋田県(74.4%)・青森県(72.9%)・山形県(71.6%)と東北勢が並び、4分の3近くが木造です。逆に低いのは、沖縄県のわずか3.1%が際立ち、次いで東京都28.4%、大阪府31.9%と大都市が続きます。沖縄は台風対策で鉄筋コンクリート造が主流という事情があり、都市部は共同住宅(マンション)が多いため木造率が下がります。同じ日本でも、住まいの「素材」は地域によってまったく違うということです。

住まいの広さ ― 地方は広く、都市は狭い

1世帯あたりの広さ(畳数)を見ると、こちらも都市と地方できれいに分かれます。

[1世帯の広さが広い都道府県]

広いのは富山県(45.9畳)・秋田県(44.2畳)・山形県(43.0畳)など。狭いのは東京都(24.8畳)・沖縄県(27.5畳)・大阪府(28.3畳)で、最も広い富山と最も狭い東京では、1世帯あたりの広さがおよそ1.85倍も違います。地価が高く共同住宅が多い都市部では住まいが狭くなり、地方では広い一戸建てに住む、という傾向がはっきり表れています。

地方ブロックで見ると

都道府県を8つの地方ブロックにまとめて平均空き家等率を見ると、傾向がさらに掴みやすくなります。

[地方ブロック別 平均空き家等率]

四国(20.6%)・中国(17.4%)が高く、関東(13.4%)が最も低いという結果でした。西日本の地方部で空き家が多く、首都圏で少ない、という大きな傾向が読み取れます。

都道府県を切り替えて、比べる

Power BIの強みは、こうしたデータをその場で切り替えて比較できることです。ダッシュボードに都道府県を選ぶスライサー(絞り込み)を置くと、都道府県を選ぶだけで、空き家等率・木造率・広さ・総住宅数の数値が一斉にその県のものに切り替わります。

![都道府県を切り替えると数値が変わる様子]

東京都から大阪府、そして秋田県、沖縄県へと切り替えていくと、「都市は空き家が少なく・非木造で・狭い」「地方は空き家が多く・木造で・広い」という対比が、数字の変化として一目で伝わります。紙のグラフではできない、対話的な比較がダッシュボードの魅力です。

まとめ

- 全国の空き家等率は14.4%。徳島22.1%〜埼玉9.8%で2倍以上の差があり、地方ほど高い

- 木造率は全国46.3%だが地域差が極端。秋田74.4%に対し、沖縄はわずか3.1%、東京28.4%

- 1世帯の広さは富山45.9畳〜東京24.8畳で約1.85倍の差。地方は広く、都市は狭い

- 地方ブロック別では四国・中国で空き家等率が高く、関東で低い

- 「都市=空き家少・非木造・狭い」「地方=空き家多・木造・広い」という対比がはっきり出る

「日本の住宅事情」とひと括りにすると見えないものが、都道府県という単位で分けると鮮明になります。空き家対策も、住宅の供給計画も、地域によって前提がまったく違う、ということです。

今回使ったのは、都道府県ごとに複数の指標が並んだ公的統計です。取得したままの表をExcelで開いても、「空き家率」を出すには居住世帯なし住宅数を総住宅数で割る計算を47都道府県分くり返し、木造率・広さと切り口を変えるたびに同じ作業をやり直すことになります。ローカル保存やファイルサーバー中心のExcel運用で、こうした多角的なランキングと比較を継続的に回すのは簡単ではありません。

Power BIで可視化すると、都道府県のランキングや地域差がひと目で分かるようになります。さらに、先ほど見たようにスライサーで都道府県を選べば、その県の数値だけを取り出して他県と比べることも自在です。「なんとなく地方は空き家が多そう」という肌感覚を、「徳島県の空き家等率は22.1%で埼玉県の2倍以上」という具体的な数字と、対話的な比較に変換できるのが可視化の価値です。

このようにPower BIは、単なるグラフ作成ツールではなく、複数のデータを統合し、継続的に更新・活用できる分析基盤として機能します。今回のような公的統計に限らず、自社の物件・顧客・売上といったデータと組み合わせれば、「エリア別の空室率と成約率の関係」「地域ごとの住宅需要と自社シェア」といった、自社固有の指標を継続的に追いかけることが可能になります。

UDATAでは、こうしたデータ分析・ダッシュボード構築の支援を行っています。「地域ごとの違いを数字で把握したい」「公的統計を自社データと組み合わせて商圏を分析したい」「データはあるが可視化まで手が回っていない」といったお悩みがございましたら、ぜひこちらからお問い合わせください▶ UDATAへのお問い合わせ

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出典:総務省統計局「住宅・土地統計調査」(e-Stat 統計ダッシュボード)

   当該統計をUDATA株式会社が加工して作成