インド・バンガロール市内の飲食店データ(約51,000件の掲載レコード、店舗単位に集約すると12,499店舗)をもとに、「価格帯によって評価はどう変わるのか」「オンライン注文やテーブル予約に対応していると人気は上がるのか」「どんな料理ジャンル・エリアの店が集客できているのか」をPower BIで分析しました。

インドの飲食店データではありますが、価格・利便性・立地が集客力に与える影響は日本の飲食店経営にも通じる部分が多く、繁盛店づくりのヒントが見えてきます。

今回分析に使用したのは、データ分析プラットフォーム Kaggle(カグル) で公開されているインド・バンガロール市の飲食店データです。対象は、Zomato(インド最大級のグルメプラットフォーム)に掲載された約51,000件の店舗情報で、店名・住所・エリア・評価・口コミ数、二人あたりの想定予算、料理ジャンル、店舗タイプ、オンライン注文対応の有無、テーブル予約対応の有無などを収録しています。1店舗が複数の掲載カテゴリで重複登録されている点を踏まえ、店名+住所単位で集約した12,499店舗のデータをもとに、集客力に影響する要因を可視化・分析しました。

分析対象は掲載レコード51,717件、店舗単位に集約すると12,499店舗(バンガロール市内93エリア、88の料理ジャンル)です。

- 総店舗数: 12,499店舗
- 評価が付与されている店舗数: 9,507店舗(約76.1%)
- 全体の平均評価: 3.63
- 全体の平均口コミ数: 183.8件
評価が付いていない約24%の店舗は、口コミがまだ十分に集まっていない新規開店店舗などと考えられます。
以降の分析は、評価が確定している店舗を対象にしています。


価格帯別の評価傾向 ― 高価格帯ほど評価が高い

二人あたりの想定予算を4つの価格帯に分けて平均評価を比較すると、価格帯が上がるほど評価も高くなる傾向がはっきり出ました。

| 価格帯 | 平均評価 | 店舗数 | 平均口コミ数 |

| 〜500円 | 3.55 | 2,015店 | 70件 |

| 500〜1000円 | 3.55 | 4,314店 | 112件 |

| 1000〜1500円 | 3.62 | 1,557店 | 297件 |

| 1500円以上 | 3.93 | 1,592店 | 758件 |

最高価格帯(1500円以上)は最低価格帯(〜500円)より評価が+0.38ポイント高く、平均口コミ数は10.83倍に達します。単価が高い店ほど「その価格に見合う満足度」を提供できている店が生き残り、口コミも集まりやすいという構図が読み取れます。


予約・注文対応と人気度の関係 ― テーブル予約対応が効く

オンライン注文対応とテーブル予約対応、それぞれの有無で評価・口コミ数を比較すると、両者で効果の大きさに明確な差がありました。

| 項目 | 対応 | 非対応 | 差・倍率 |

| オンライン注文対応(評価) | 3.65 | 3.59 | +0.06ポイント |

| オンライン注文対応(平均口コミ数) | 244件 | 238件 | 1.03倍 |

| テーブル予約対応(評価) | 4.11 | 3.57 | +0.54ポイント |

| テーブル予約対応(平均口コミ数) | 1,013件 | 156件 | 6.49倍 |

オンライン注文対応(全体の53.7%が対応)は評価・口コミ数ともに大きな差を生んでいませんが、テーブル予約対応(全体のわずか7.7%のみが対応)は評価・口コミ数の両方で圧倒的な差がありました。テーブル予約を受け付けられる店は、それだけ来店体験に自信がある店・回転率を管理できる店である可能性が高く、「予約対応できるレベルの運営体制」自体が繁盛店の条件の一つと言えそうです。


料理ジャンル別の集客力 ― 定番ジャンルと隠れた人気ジャンル

店舗数の多い料理ジャンル上位10種を見ると、「多い=集客力が高い」とは限らないことが分かります。

| 料理ジャンル | 店舗数 | 平均評価 | 平均口コミ数 |

| 北インド料理 | 2,284店 | 3.54 | 236件 |

| 南インド料理 | 988店 | 3.57 | 120件 |

| ビリヤニ | 576店 | 3.48 | 201件 |

| カフェ | 572店 | 3.77 | 341件 |

| 中華料理 | 551店 | 3.58 | 210件 |

| ファストフード | 522店 | 3.50 | 70件 |

| ベーカリー | 402店 | 3.59 | 79件 |

| デザート | 364店 | 3.81 | 139件 |

| コンチネンタル料理 | 290店 | 3.89 | 727件 |

| 飲料・ドリンク | 266店 | 3.66 | 58件 |

最多ジャンルの北インド料理は全体の18.3%を占める定番ジャンルですが、平均評価・平均口コミ数は中位にとどまります。一方で店舗数290店と少数派のコンチネンタル料理は、上位10ジャンル中最高の平均評価(3.89)と平均口コミ数(727件)を記録しており、店舗数は少なくても一店一店がしっかり支持されている「隠れた人気ジャンル」であることが分かります。


立地(エリア)別の傾向 ― 店舗数最多エリアと評価最高エリアは別

店舗数の多いエリア上位10地区を見ると、店舗が集中しているエリアと、実際に評価が高いエリアが必ずしも一致しないことが分かります。

| エリア | 店舗数 | 平均評価 | 平均予算 | 平均口コミ数 |

| ホワイトフィールド | 629店 | 3.60 | 1,214円 | 238件 |

| BTM | 537店 | 3.56 | 764円 | 133件 |

| HSR | 526店 | 3.65 | 892円 | 220件 |

| マラサハリ | 511店 | 3.52 | 1,015円 | 268件 |

| エレクトロニックシティ | 458店 | 3.47 | 994円 | 121件 |

| インディラナガル | 443店 | 3.79 | 1,213円 | 575件 |

| JPナガル | 388店 | 3.63 | 929円 | 231件 |

| バナルガッタロード | 355店 | 3.48 | 870円 | 147件 |

| ジャヤナガル | 313店 | 3.76 | 898円 | 281件 |

| ベランドゥール | 274店 | 3.50 | 986円 | 145件 |

店舗数最多のホワイトフィールド(629店)は激戦区である一方、平均評価・平均口コミ数トップはインディラナガル(評価3.79、平均口コミ575件)でした。店舗数が多いエリアほど競争が激しく、一店あたりの評価・口コミが伸びにくい面もあると考えられます。出店エリアを検討する際は、「店舗数の多さ」だけでなく「そのエリアの店がどれだけ支持されているか」も合わせて見る必要があります。


まとめ

- 高価格帯(1500円以上)の店は低価格帯(〜500円)より評価が+0.38ポイント高く、口コミ数は10.83倍
- テーブル予約対応の店は非対応の店より評価が+0.54ポイント高く、口コミ数は6.49倍。オンライン注文対応より効果が大きい
- 料理ジャンルは「店舗数が多い=人気」とは限らない。コンチネンタル料理は少数派ながら評価・口コミ数トップ
- エリアも同様に、店舗数最多のホワイトフィールドより、インディラナガルの方が評価・口コミ数は高い


行動のヒントへ

「集客力の高い飲食店をつくりたい」なら、①価格に見合った満足度を提供する、②テーブル予約に対応できる運営体制を整える、③店舗数の少ない・競争が緩やかなジャンルやエリアも検討する、の3つが有効な打ち手として見えてきます。反対に「安さで勝負したい」「回転率重視で予約は受けない」という戦略にも合理性はありますが、その場合は評価・口コミの伸びが相対的に緩やかになりやすいことも、このデータから読み取れます。

51,717件の飲食店データですが、CSVファイルのままでは価格帯別の評価傾向や、予約・注文対応の有無による人気度の違い、料理ジャンルやエリアごとの特徴を把握することは容易ではありません。

Power BIで可視化することで、価格帯ごとの評価分布、オンライン注文・テーブル予約対応の効果、料理ジャンル別の集客力、エリアごとの店舗数・評価の違いまで、一つのダッシュボード上で比較・分析できるようになります。また、フィルターやスライサーを利用することで、『特定のエリアだけを見る』『高価格帯の店舗だけを比較する』『テーブル予約対応の店だけに絞り込む』といった分析もリアルタイムで行えます。これにより、データを集計するだけでは見えなかった集客力の要因や傾向を、誰でも直感的に理解できるようになります。Power BIは単にグラフを作るツールではありません。大量のデータから重要な傾向や課題を発見し、根拠のある意思決定につなげるための分析基盤です。

UDATAでは、Power BIを活用したダッシュボード構築やデータ分析を通じて、データドリブンな意思決定を支援しています。データ活用に関するご相談は、お気軽にこちらからお問い合わせください。

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