インド国内線(6都市・6航空会社、約30万件)の航空券データをもとに、「いつ予約すると安いのか」「どのクラスを選ぶと価格差が生まれるのか」「直行便と乗り継ぎ便で運賃はどのように変化するのか」をPower BIで分析しました。インド国内線のデータではありますが、航空券価格が変動する仕組みは日本の国内線や海外旅行にも共通する部分が多く、お得に航空券を予約するためのヒントが見えてきます。
今回分析に使用したのは、データ分析プラットフォーム Kaggle(カグル) で公開されているインド国内線の航空券データです。対象は、デリー、ムンバイ、バンガロール、コルカタ、ハイデラバード、チェンナイの6都市を結ぶ路線と、6社の航空会社による約30万件のフライトデータです。予約日数、座席クラス、出発・到着時刻、所要時間、乗り継ぎ回数など、航空券価格に影響を与えるさまざまな要素を可視化し、価格変動の傾向を分析しました。

クラス別の運賃差 ― ビジネスはエコノミーの約8倍
クラス:平均運賃:構成比
エコノミー:12,487円: 68.9%
ビジネス:99,826円: 31.1%
ビジネスクラスの平均運賃はエコノミークラスの7.99倍。全体の平均運賃が中央値より大きく高く出るのは、この約3割を占めるビジネスクラスの存在が理由です。
以降の「早期予約」「経由回数」の分析は、クラス差の影響を取り除くためエコノミークラスに絞って比較します。

早期予約の効果 ― エコノミーは直前予約で2.8倍に
エコノミークラスに絞って、出発までの残日数(予約タイミング)別に平均運賃を見ると、予約が遅くなるほど運賃が跳ね上がる傾向がはっきり出ます。
予約タイミング:平均運賃(エコノミー)
早期(31日以上前) : 9,346円
計画的(16〜30日前) : 10,271円
中期(8〜15日前) : 18,675円
短期(4〜7日前) : 20,074円
直前(1〜3日前) : 26,235円
直前予約(1〜3日前)は早期予約(31日以上前)の2.81倍。早期に予約するだけで運賃を最大64%程度抑えられる計算になり、旅程が決まっているなら早めの予約が最も効果の大きい節約策だと分かります。

経由回数別 ― 直行はエコノミーでも一番お得
こちらもエコノミークラスに絞った比較です。経由回数が増えるほど運賃も上がる、分かりやすい関係が見られます。
経由回数:平均運賃(エコノミー)
直行 : 7,624円
1回経由 : 12,944円(直行の1.7倍)
2回以上経由 : 17,370円
なお全クラス込みで見ると「1回経由」の平均運賃が最も高くなりますが、これは1回経由の便にビジネスクラスの構成比(33.6%)が直行(22.5%)や2回以上経由(8.2%)より高いためです。同じクラスで比較すると、直行が最も安いという結果になります。

航空会社別 ― フルサービスとLCCで運賃が大きく異なる
6社のうちビジネスクラスを設定しているのはヴィスタラとエア・インディアの2社(フルサービスキャリア)で、残り4社(インディゴ・ゴーファースト・エアアジア・スパイスジェット)はエコノミー専業のLCC(格安航空会社)です。
航空会社 : 平均運賃(全体) : 便数シェア
ヴィスタラ : 57,753円 : 42.6%
エア・インディア : 44,663円 : 27.0%
ゴーファースト : 10,739円 : 7.7%
インディゴ : 10,116円 : 14.4%
スパイスジェット : 11,741円 : 3.0%
エアアジア : 7,773円 : 5.4%
フルサービス2社で便数シェアの約7割(69.6%)を占めています。同じエコノミークラスだけで比べても、ヴィスタラ(14,833円)はエアアジア(7,773円)の約1.9倍。運賃の差は「クラス構成の違い」に加えて「フルサービスかLCCか」というブランドの違いも反映していると言えます。

出発時間帯別 ― 深夜・昼便が狙い目
出発時間帯 : 平均運賃 : 便数
深夜 : 17,661円 : 1,306件
昼 : 34,540円 : 47,794件
早朝 : 38,704円 : 66,790件
夕方 : 40,342円 : 65,102件
朝 : 41,098円 : 71,146件
夜 : 43,818円 : 48,015件
深夜便は便数こそ少ないものの平均運賃は突出して安く、次いで昼便が割安です。朝・夜の時間帯は便数が多い分、運賃も高めに設定されている傾向が見えます。

まとめ
・ビジネスクラスはエコノミーの約8倍。予算重視ならエコノミー一択
・エコノミークラスなら、31日以上前の早期予約で運賃を最大64%程度抑えられる
・同じエコノミークラスなら直行が経由便より安い(1回経由の1.7倍差)
・LCC(インディゴ・ゴーファースト・エアアジア・スパイスジェット)はフルサービスキャリアの半額以下
・深夜・昼の便は狙い目の時間帯
行動のヒントへ
「できるだけ安く航空券を買いたい」なら、
①出発の1か月以上前に予約する、②LCCを検討する、③直行便を選ぶ、④深夜・昼の時間帯を狙う、の4つを組み合わせるのが最も効果的です。反対に「直前でも席を確保したい」「乗り継ぎの自由度を優先したい」といったニーズがある場合は、フルサービスキャリアや経由便にもそれなりの合理性があることも、このデータから読み取れます。
Power BIでデータを「意思決定」に変える
今回使用したデータは約30万件の航空券情報ですが、CSVファイルのままでは価格や予約タイミング、航空会社ごとの違いを把握することは容易ではありません。
Power BIで可視化することで、クラス別の価格差、予約タイミングによる運賃の変化、経由回数や航空会社ごとの特徴、さらには時間帯ごとの価格傾向まで、一つのダッシュボード上で比較・分析できるようになります。
また、フィルターやスライサーを利用することで、「エコノミークラスだけを見る」「特定の航空会社だけを比較する」「都市ごとの違いを確認する」といった分析もリアルタイムで行えます。これにより、データを集計するだけでは見えなかった価格変動の要因や傾向を、誰でも直感的に理解できるようになります。
Power BIは単にグラフを作るツールではありません。大量のデータから重要な傾向や課題を発見し、根拠のある意思決定につなげるための分析基盤です。
UDATAでは、Power BIを活用したダッシュボード構築やデータ分析を通じて、データドリブンな意思決定を支援しています。データ活用に関するご相談は、お気軽にこちらからお問い合わせください。▶UDATAへのお問合せ