当社では、Power BI を活用し、膨大なデータを整理・分析して、戦略や意思決定に役立つインサイトを導き出しています。今回ご紹介するのは、外部公開されている Kaggle(カグル)のNetflixの配信コンテンツ情報を題材に、ジャンルや国別の分布、公開年ごとの変遷などを可視化したダッシュボードをご紹介します。
データセットの概要
この分析は、Netflixに関する以下のデータを集計・可視化したものです。
- 総コンテンツ数:8,800作品
- 配信ジャンル:37種類
- 配信国数:87か国
- 評価基準(レーティング):19種類
- 公開年・ジャンル・国別の分布
【実例分析】可視化から見えてきたポイント
1. ジャンルの多様性

- 最も多いのはドラマ(1,600作品)、次いでコメディ(1,210作品)、アクション&アドベンチャー(859作品)。
- 子ども向け、アニメーション、スタンドアップコメディなども一定数を占め、幅広い嗜好に対応している。
➡ ジャンル構成から、Netflixの「多層的な顧客ターゲティング戦略」が見えてきます。
2. レーティング(年齢制限)の傾向

- 最も多いのはTV-MA(成人向け, 3,207作品)。
- TV-14(14歳以上, 2,160作品)やTV-PG(家族向け, 862作品)も多い。
➡ 成人向けが中心でありつつ、ファミリー層にも一定の配慮がある構成。
3. 国別の分布

- 米国が圧倒的多数を占め、次いで、英国、トルコが上位。

- 世界地図に分布を可視化することで、地域ごとの市場戦略や文化的強みを読み取れる。
4. 公開年ごとの推移

- 2010年代後半から作品数が急増、2020年代にピーク(757作品)。
- 近年は年間500〜700本規模で安定。
➡ Netflixの「オリジナル制作強化戦略」と配信拡大が数値で裏付けられている。
日本におけるNetflixジャンル構成の特徴

日本のデータだけで絞り込み、配信されているNetflix作品をジャンル別に見ると、アニメシリーズが圧倒的に多く(136作品)、次いでアクション・アドベンチャー(49作品)、海外テレビ番組(31作品)が上位を占めています。アニメ映画(17)、ドラマ(10)も一定数を確保しつつ、ホラー映画や犯罪ドラマなどのジャンルは少数派にとどまっています。
アニメが牽引する日本市場
全体構成から見ても、日本市場の最大の特徴はアニメシリーズの厚みにあります。世界的に見てもアニメは人気ジャンルの一つですが、日本では文化的な土壌と制作環境の強みを背景に、他ジャンルを大きく引き離す規模でラインナップされています。これはNetflixが日本を「アニメ供給の中核拠点」と位置づけていることを示すものでもあります。
実写系ジャンルの広がり
一方で、アクション・アドベンチャーや海外テレビ番組の存在感もあり、グローバル作品を日本市場に取り込む流れが見られます。アニメ一強の構造の中で、こうしたジャンルがどこまで定着し視聴習慣に組み込まれるかが、今後の日本市場の成長ポイントとなりそうです。
日本のNetflixジャンル構成は、アニメシリーズを中核に据えた独自色の強いラインナップが最大の特徴です。そこに海外作品や実写系の投入が重なり、視聴者の選択肢を広げています。
この「アニメ主導+多ジャンル補完」という構造は、日本市場特有の強みであり、同時にグローバル市場への輸出ポテンシャルを高める布石とも言えるでしょう。
最後に:Power BIが描く「映像ビジネスの地図」
今回の分析では、Netflix全体のコンテンツ構成と、日本市場に絞り込んだデータを比較しました。
グローバル全体ではドラマ・コメディ・アクションといった多ジャンルの厚みが市場を支え、視聴ターゲットも幅広い年齢層に広がっています。一方、日本市場ではアニメシリーズが圧倒的な存在感を持ち、TVシリーズ主体の編成が際立ちました。
つまり、全体においては「多様性と量」で勝負し、日本では「特定ジャンルの強みを軸にした集中戦略」が有効に機能しているといえます。
Power BIを用いた今回の分析は、こうしたマクロ(世界全体)とミクロ(特定地域)の両方の視点を柔軟に切り替えられる点に大きな価値があります。全体像から市場の方向性を把握しつつ、地域特性を深掘りすることで、より精緻な戦略立案が可能になります。
今後も、データの可視化を通じて「世界の潮流」と「ローカルの個性」を同時に読み解くことが、映像ビジネスを支える大きな鍵となるでしょう。
Power BI は、複雑な市場データを直感的に理解し、次の戦略を見据えるための強力なツールです。
データ分析・マーケティング活用に関する課題を、UDATAが丁寧に整理・サポートいたします。
まずはこちらのお問い合わせフォーム よりお声がけください。