「世界の豊かさは本当にGDPだけで測れるのか?」この問いに答えるため、当社では Kaggle(カグル) の世界経済データをもとに、各国・地域のGDP規模や一人当たりGDP、成長率の特徴を一目で把握できる分析基盤を構築したものです。世界全体のマクロ経済の姿と、地域別に見た成長の差異に焦点を当て、主要国のポジションや今後の潮流を読み解きました。1. グローバル規模での全体像このダッシュボードでは、173か国の経済データが集約され、世界全体のGDP合計は 26.8兆USD、人口は 約78.8億人として可視化されています。KPIカードにより、世界経済の規模感を直感的に把握できる構成になっています。2. GDPランキングから見える勢力図国別GDPランキングを見ると、アメリカ・中国の二大経済大国が突出しており、日本・ドイツが続きます。トップ10には欧州諸国が多く含まれ、依然として先進国が世界経済の中心を担っていることがわかります。一方で、インドが確実に存在感を高めており、人口規模を背景に長期的な成長ポテンシャルを持つことが示唆されます。3. 一人当たりGDPに見る“豊かさ”の分布一人当たりGDPランキングでは、モナコ、リヒテンシュタイン、ルクセンブルクといった小規模かつ金融やサービスに強みを持つ国々が上位を占めています。これは「経済規模の大きさ」と「国民一人ひとりの豊かさ」が必ずしも一致しないことを端的に表しています。米国も規模と生活水準の両方で存在感を示している一方で、中国やインドは総GDPでは上位ながら、一人当たりでは依然として低水準にとどまっています。4. 地域別成長率の特徴地域別GDP成長率を比較すると、アジアとアフリカが47%以上の成長を示し、世界の成長ドライバーとなっていることが明確です。一方、欧州やアメリカ大陸は成長が鈍化しており、先進国中心の地域では成熟経済の限界が見えています。オセアニアは安定的ですが、成長率は控えめです。5. インフレ率と成長の関係折れ線グラフでは、インフレ率と地域別成長率の関係が示され、成長の裏側には物価変動リスクが存在することが読み取れます。高成長地域は同時にインフレ圧力を抱えやすく、持続可能な経済成長にはマクロ経済の安定が不可欠です。まとめ:データが描く世界経済の未来このダッシュボードは、規模(GDP総額)・豊かさ(一人当たりGDP)・成長性(地域別成長率)を一元的に見せることで、世界経済の多面的な姿を浮き彫りにします。特に、アジアとアフリカの台頭、小国の高い生活水準、インフレリスクと成長のトレードオフといった重要なテーマが一目で把握できます。Power BIの強みは、こうした複雑な経済データを整理・可視化し、政策立案、企業戦略、研究の現場において迅速な意思決定を支える点にあります。世界経済は、GDPだけでは語り尽くせません。複数の指標を統合的に可視化することで、国や地域の強み・リスク・未来が見えてきます。UDATA株式会社では、Power BIを活用した経済データ分析基盤の構築を通じ、政策・企業戦略・研究分野の意思決定を支援しています。ご相談はこちらから。