1. はじめに売上は伸びているのに、なぜか利益が残らない——。この状態、数字では説明できても、構造として説明できますか?これ、現場だとかなり“あるある”だと思います。数字としては伸びている。でも手元に残る実感がない。原因はシンプルなようでいて、実は一箇所じゃないことが多いです。この記事では、Power BIを使いながら、この違和感を分解していきます。「何を見れば判断が変わるのか」という視点で見ていきます。2. なぜサンプルデータでも意味があるのか分析で大事なのは、数値そのものというより“構造”です。売上と利益のズレ、割引の影響、商品ごとの収益性。こういう関係性は、どの会社でもだいたい似た形になります。なので今回はサンプルデータを使っていますが、見方としてはそのまま実務に持っていけます。「どう読むか」に注目して見ていきます3. まず“違和感”を見つける(売上と利益)まずは売上と利益の推移を見ます。ここでは「売上が伸びているか」ではなく、売上と利益が同じように動いているかを見ます。 ※Microsoft提供のFinancial SampleをPower BIで可視化グラフを見ると、売上は大きく伸びているのに、利益はそこまで伸びていません。この“ズレ”が重要です。売上が伸びているのに利益が残らないということは、どこかで利益が削られている可能性があるということです。ここを起点に、「どこで削れているのか?」を分解していきます。4. 利益を削っている“正体”を分解するここからは、利益を圧迫している要因を分解していきます。重要なのは、「1つの原因を探す」のではなく、「複数の要因を切り分けること」です。4-1. 地域別の利益地域ごとの“稼ぎ方の違い”に注目します。まずは地域別に売上と利益を並べて見ます。 ※Microsoft提供のFinancial SampleをPower BIで可視化ここで見るポイントはシンプルです。売上に対して利益がどれくらい出ているか売上が大きい地域でも、利益がそれに比例していないケースが見えてきます。つまり、「売れている=儲かっている」ではない→ 地域ごとに収益構造に差があることが分かります。4-2. 商品カテゴリ別の収益性売れている商品と儲かっている商品の違いを見ます。次に、商品ごとに売上と利益を並べて見てみます。 ※Microsoft提供のFinancial SampleをPower BIで可視化ここでのポイントは売上ランキングと利益ランキングが一致しているか実際には、売上が高い商品でも利益がそこまで出ていないものが存在します。つまり、“売上は作っているが利益には貢献していない商品”がある→ 商品ミックスの歪みが発生している状態です。4-3. 割引率と利益の関係割引が利益に与える影響を確認します。最後に、割引と利益の関係を見ます。ここでは1つ1つの取引レベルで見るために、散布図を使っています。 ※Microsoft提供のFinancial SampleをPower BIで可視化横軸が割引、縦軸が利益です。ここで見てほしいのは割引が大きくなるほど利益がどう変わるか点の分布を見ると、割引が大きい領域ほど利益が低くなっている傾向が見えます。中には、売上はあるのに利益がほとんど出ていない、あるいは赤字になっている点もあります。つまり、割引によって利益を削りながら売上を作っている可能性がある5. 構造を一言でまとめるとここまでを見ると、全体の構造は次のように整理できます。売上は伸びているが、その裏側で「利益を削る意思決定」が積み重なっている具体的には、地域:売上を優先することで、利益率の低い取引が許容されている商品:売上規模で評価されることで、利益の薄い商品に依存している割引:売上を作るための手段として使われ、結果的に利益を圧迫しているつまり、単にどこか一箇所の問題ではなく、「売上を優先する判断基準」が複数の場面で繰り返されていることが本質です。この積み重ねが、最終的に「売上は伸びているのに利益が残らない」という状態を生んでいます。6. BIの本質は「判断を変えること」Power BIの価値は、グラフを作ることではありません。意思決定を変えることです。例えば:・利益率の低い商品を減らす・割引ルールを見直す・地域ごとに戦略を変えるこうした判断につながって初めて意味があります。7. ダッシュボードで“全体像”を見る個別分析を横断して、構造を一気に把握します。ここまで個別に見てきた内容を、1つの画面で俯瞰するとどう見えるか。 ※Microsoft提供のFinancial SampleをPower BIで可視化ダッシュボードでは、「地域 × 商品 × 割引」のように複数の要素を横断して見られます。個別では気づきにくかった関係性も、全体で見ることで初めて見えてきます。8. まとめこの分析から分かるのはシンプルです。売上だけ見ている限り、問題は解決しない重要なのは:・利益で見る・構造で考える・意思決定に落とす9. お問い合わせ 本記事で紹介したような「利益構造の可視化」や「意思決定につながるダッシュボード設計」は、実際の業務データに適用してこそ価値を発揮します。自社のデータで同様の分析を行いたい、ダッシュボードを構築したい、あるいは既存のBI活用を見直したいとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。UDATAお問い合わせ: https://udata.co.jp/contact